こんにちは~!
今日は司法書士の成年後見業務について思っていることを書いていきます。
結論から言うと、成年後見人は大変という話です。
成年後見ってなに?
なかなか聞き慣れない言葉かも知れません。
簡単に言うと、認知症などのため判断能力の不十分な人の代わりに、本人の不利益にならないように財産管理や施設・病院に入所するための契約等をする代理人のことを言います。
判断能力がなく、意思表示ができないと、銀行等から成年後見人を選任してくださいと言われます。
成年後見制度には、任意後見と法定後見がありますが、今日は法定後見について。
成年後見を業務に取り入れようと考えている司法書士の方や成年後見に興味のある方はお読みください~。
成年後見人の日常業務は
- 裁判所への報告
- 収入・支出の管理
- 親族とのやりとり
- 施設・病院とのやりとり
- 役所関係の手続
- 不動産の管理
- 病院の付き添い
などなどあります。
殆どの成年後見人が大変だと思います。
毎日のように動かなくてはいけないケースもあります。
しかし、反対に担当する人によっては全然動く必要のないケースもあります。
私は、つい先日一人の成年被後見人の業務で自宅の蜂の巣駆除や草払いに立ち会ったり、隣の市の病院への付き添い、入院道具の買い出しなどやりました。
やらなければならないことの多い方の成年後見人になると大変です。
旅行先で晩酌しているときに「成年被後見人が倒れて救急車で運ばれました。」なんて電話がかかってきたことも、、、
知り合いの司法書士は家族旅行の途中に一人だけ帰宅したとか、、、
親族のいない方の火葬やゴミ屋敷の整理依頼なんかもやったことあります。
ここまで読んで
成年後見人になって良いことあるの?
成年後見人になっても大変なだけじゃないか。
こんな感じに思った方は多いかも知れません。
この業務に振り回されて、他の業務に支障がでることもあります。
正直、辞めたくなることもあります。
もう新規で受任しない!なんて頻繁に考えてます(笑)
しかし、プラスになることもあります。
月並みですが、担当している人に「ありがとう」と言われたときは嬉しいです。
あとは、たくさんの人と知り合えること、いろいろな手続に詳しくなれるということです。
でも、一番は自分の視野が広がったことです。
お金には直結しませんが、後見業務で今まで関わりのなかった業界の人と話せる機会や現在の社会問題に直に触れる機会は私自身の視野を広げ、司法書士としての業務姿勢に影響を与えました。
成年後見業務をやって良かったか?と聞かれれば、「良かった」と答えるでしょう。
そんな綺麗事言って、、、
結局のところ、報酬が良いからやってるんでしょ?
ネットニュースのコメント欄で成年後見の報酬は高すぎるとか、成年後見は専門職の利益のための制度だとか、そんな書き込みを見ますが全然そんなことないです。
まず、成年後見人の報酬は成年後見人が決めるのではなく裁判所が決定します。
報酬は資産の額とどのような仕事をしたかで決まります。
基本、年に1回報酬を請求するので、高額に見えるのかも知れませんが、月で換算すると安いです。
報酬は成年被後見人の資産から支払われるので、資産が全然なく、報酬どうすんのこれ!なんてケースも、、、
成年後見が専門職の利益のための制度だという意見ですが、これもそんなことないと思います。
専門職だけが成年後見人になれるわけではなく、申立時に親族を候補者とすれば親族だって成年後見人になることはできます(絶対ではない。最終判断は裁判所。)。
それに、親族が成年後見人になれる方は良いですが、親族と仲違いしている人や親族のいない人に関しては専門職がなるしかないと思います。
専門職がならないで、一般の方が無報酬でとても重い責任を負って仕事をするなんて考えられませんよね?
私は、仕事としてではなくボランティアで成年後見はできません。親族で成年後見人になるのも大変だと思います。
なので、成年後見制度が専門職のための制度だとか言わないでね、、、?
私の場合、事務所経営の面から見て成年後見業務の費用対効果はトントンと言ったところでしょうか。
精神的な負担を見るとマイナスかもしれませんが(笑)
しかし、毎年いただける収入という面では、新人司法書士にとっては嬉しいでしょう。
私もそうです。
成年後見業務をやることで司法書士・人間として成長できる+安定的に収入を得ることができる。
新人司法書士には成年後見業務を少しでもやってみてほしいですね。
おわりっ!
↓成年後見人の報酬について書いています。
↓成年後見制度が利用される場面について書いています。
意思無能力者が相続人にいると相続手続はストップします。
成年後見に興味のある方は以下の本を読んでみてください。
専門職ではない方も気軽に読め、成年後見のことについて知ることができます。
成年後見について知りたい、成年後見人に初めてなるという人は是非ご一読を!
成年後見人に就任していて、今後業務が不安だという方は以下の本を読んでみてください。
この本一冊あるだけでも心強いです。
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